ミュージシャン向けMusic Videoの作り方。企画とか予算とか機材とか編集の話。

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私の去年一年間で一番多い映像のお仕事はMusic Video制作でした。

過去作品をYouTubeでリスト化しています。

さて、この記事をご覧の方はMusic Videoを撮る側か撮られる側(=ミュージシャン)だと思いますが、今回はミュージシャン、特に予算のないインディーズミュージシャンに向けてMusic Videoの作り方。というかそれよりももっと根本的なものをお話しようと思います。


Music Videoを作る目的は?

最近は誰もが高画質なビデオカメラ(スマホ)を所有して、視聴者側も高性能な視聴機(スマホ+YouTube)を持ち歩いてますから昔に比べてMusic Videoの視聴機会や製作本数も抜群に増えていると思います。以前はメジャーデビューしたバンドでしか作れなかったMusic Videoも今ではアマチュアバンドでも気軽に制作できるようになってますね。

でもなんで皆さんわざわざお金をかけてMusic Videoを作るんでしょうか?

目的その1. プロモーション目的

多くのインディーズバンドの方型の目的はこれが多いかと思います。プロモーション目的。自分たちを知らない人に自分たちを知ってもらえる機会を作るためにMusic Videoを作ります。もしSNSでバズって10万RTなんていったらスターへの道が開きます。

目的その2. 世界観表現

どちらかというとマニアックな音楽をやっていたりするインディーズバンドや、すでにプロモーションを進んでする必要のない有名アーティストに多いこのパターン。動画の再生数やどれだけシェアされるか。というよりも既存のファン層にウケる作品を作ることでよりファンの心を掴みます。

目的その3. 思い出作り

社会人で趣味としてインディーズバンドをやってる人たちに多いこのパターン。動機としては十分ですし素晴らしいです。一生の記念に映像として作品を残すのはみんなやるべきだと個人的には思います。

目的その4. みんなやってるから

はいダメー。動機が不純ー。作るの勿体ないから一回振出しに戻ってください。「みんなやってるから」なんて動機で作ってもいい作品にはなりません。

大体の場合、目的1か2だと思いますが大体5:5とかの割合でプロモーションと世界観表現を半々に持ってるケースが多いです。とはいえ、どちらを重要視するか。というのが結構重要なポイントだと思いますので、優先度は決めておいた方がいいです。


Music Videoってどうやって作るの?

目的も決まったしいよいよMV作るよ!でもどうやって作ったらいいのか。。

ってことなので先ずは用意するものから紹介します。

用意するもの

  • 音源
  • カメラ
  • 編集ソフト
  • 企画

はい。これだけです。意外と簡単そうですね。

特にカメラも編集ソフトも最近はスマホで解決できますから、あとは音源と企画だけ。

でも音源あってこそのMVですから、後は「企画」だけになります。やったー


企画を作ろう

ここで「どんなMusic Videoにするか」という企画の作り方です。

どんな曲で、どんな出演者が、どんな場所でどんなことをするMusic Videoなのかあらかじめ決めておきます。

ここで「目的」が大事になるんですね。

プロモーション目的であれば「シェアされそうな」Music Videoにすることが大事です。

逆に世界観を表現したいのであればアーティスティックな映像を探求することになりますね。

5W1Hを考えながら企画を立てると上手くいきやすいですよ♪

5W1H

  • Why(なぜ)・・・なぜ作るのか。目的。宣伝?表現?
  • When(いつ)・・・夜の映像?昼の映像?いつまでに作る?
  • Where(どこ)・・・どこで撮る?森?海?スタジオ?
  • Who(だれ)・・・誰が出る?主演はメンバー?モデルを雇う?
  • What(なに)・・・何をしてるところを撮る?演奏?女の子を泣かす?躍らす?音楽聞かす?壁にもたれさす?倒れさす?(※岡崎体育さん”Music Video”下記参照)
  • How(どうやって)・・・どうやってとる?スマホ?高いシネマカメラ?ビデオカメラ?カメラマンは?

これを決めるのが一番大変なのです。大変なら私みたいな人に丸投げすると楽できます。


費用を知ろう

自分たちで全部作ればタダ!というわけにもいかないMusic Video制作。どのような費用が掛かるのか知りましょう。

撮影機材費

カメラや三脚、場合によってはスタビライザーというブレを無くす装置やクレーン、流行りのドローンなど、上を見ればきりがないのが撮影機材費。私もそうですが最近は一眼カメラを使用して撮影するのが流行ってるというか、低予算で高画質なので人気です。現状スマホは持っているものとして考えますが、カメラを持っている場合はそれが使えたりします。

  • スマホで撮る:0円
  • 一眼カメラ:購入約10万円、レンタル約5千円/1日
  • スタビライザー:購入約10万円、レンタル約1万円(2泊3日)
  • ドローン:購入約10万円。レンタル不明
  • 編集ソフトやPC:スマホならアプリ代、Macお持ちならFCPXで2万円。iMovieで1800円。

スタジオ代

  • 自宅や撮影費用が掛からないような森や海岸:0円~
  • レンタルスタジオ:2~3万/1時間、終日8万~

人件費

一番費用が変動して不透明なのがこの部分です。

  • 自分たちだけが出演:0円
  • 友達やファンに出演してもらう:0円~
  • モデルや役者を雇う:1万円~
  • ヘアメイクを頼む:1万円~
  • 編集を頼む:1万円~
  • 撮影を頼む:1万円~

小道具購入費

Music Video撮影時に使う小道具の費用も考える必要があります。100円ショップや3COINSをうまく利用したりDIYで低予算に出来るポイント。

その他経費

撮影地までの交通費や打ち合わせでのコーヒー代、打ち上げがあればその費用などもろもろがコチラ。

合計

というわけで、なんだかんだ結構不透明になってますが目安として以下の4つのパターンを上げておきます。

Case 1: 0円~1万円

  • 撮影・編集・出演は全部自分たちだけ
  • 撮影地:0円の場所
  • カメラはメンバーが持ってるスマホや一眼カメラ、ビデオカメラなどを使用。

Case 2: 1万円~5万円

  • 撮影・編集・出演は友人知人に手伝ってもらう。
  • 撮影地:0円の場所
  • カメラは友人知人が持ってる一眼カメラ、ビデオカメラなど自分たちのよりもいいモノ。

Case 3: 5万円~15万円

  • 撮影・編集・出演はプロに手伝ってもらう。
  • 撮影地:0円の場所。
  • カメラはレンタルやプロの所有物。

または

  • 撮影・編集・出演は友人知人に手伝ってもらう。
  • 撮影地:スタジオを借りる
  • カメラは友人知人が持ってる一眼カメラ、ビデオカメラなど自分たちのよりもいいモノ。

Case 4: 15万円~

  • 撮影・編集・出演はプロに手伝ってもらう。
  • 撮影地:スタジオを借りる。
  • カメラはレンタルやプロの所有物。

とまぁ大体こんな感じになるかと思います。予算的に5万~15万のCase 3が一番多いのかなぁと思いますが、プロに頼むか撮影場所に拘るかで予算の使い道を決めるといいのかなぁと思います。

さいごに

Music Videoを作るのはとても大変で時間のかかることなので、いっそのこと企画からプロに依頼してしまう。というのはかなり有効です。自分の場合、企画に1日、撮影に半日、編集に2日ぐらいの3.5日分ぐらい掛けて1つ作ってると思いますが、特にプロ志向のミュージシャンであれば3.5日(たぶん編集や撮影慣れなければもっと時間と費用が掛かります)を費やすのであればその分を自身の音楽活動に専念したほうがいいかな。なんて思ってます。

私の場合は大抵のプロのMusic Video制作者さんに比べれば安い価格、具体的に言うとCase2の価格に収まってしまう場合が殆どで、それでいて撮影機材も総額〇〇〇万円分の機材から最適な機材をセレクトして撮影させて頂きますので、気になった方はTwitterやコメント欄からお問合せいただければなぁと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございました。シェアしていただけると更に喜びます。

注意:今回あくまで一例として予算感を4つのパターンで記載していますが、これはその金額内で製作費が収まることを保証したものではありません。最終的な製作費は企画・撮影場所・撮影内容によって大きく変動しますのでご注意ください。

“ミュージシャン向けMusic Videoの作り方。企画とか予算とか機材とか編集の話。” への1件の返信

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