前回の記事ではDavinci Resolve15に新しく追加されたFusionパネルで、文字を指定した部分にトラッキングさせて動かす。という方法をご紹介しました。
今回はトラッキングでよく使われる手法の一つ、「ハメ込み合成」をやって見たいと思います。
まぁよくある「映像や写真の中に映るディスプレイに映る内容を別のものに差し替える」手法ですね。
今回もおなじみ「スマイルアンドグッド」のMV素材を使用して説明したいと思います。
使用素材
今回はMr.スマイルアンドグッドという楽曲。グリーンバックを多用して、最後の方で渋谷の駅前交差点のビジョンをハメ込み合成しています。
3:00ぐらいですね。ちょっと不自然なのが悔やまれます。
では始めていきましょう。
作り方
まずは前回同様、合成前の映像をEDITパネルのタイムライン上に配置し、そのクリップを選択状態にしてからFusionパネルに移動します。
今回は”Tracker”というノードを使用します。SHIFT+スペースでセレクターを表示させ、Trackerを検索。配置します。
MediaInとMediaOutの間にTrackerノードが作られます。
ここからTrackerを作っていきます。
TrackerListのADDボタンからトラッカーを生成できます。
モニタの表示拡大するとわかりやすいですね。上の画面ではANAの文字のちょっと上に緑の四角でTracker1が生成されたのが見えます。
生成されたトラッカーの真ん中の四角の左上をドラッグすると移動ができ、中心点が拡大表示されます。
ADD->移動を繰り返し、４つのTrackerを作りました。
まずはトラッキングしちゃいましょう。上の画像の赤四角で囲まれたボタンでトラッキングを実行します。
次にFusionパネルのメディアリストから合成したい映像を選択し、ノードへドラッグ&ドロップします。するとMedia2というノードが生成されます。
これをTrackerのフォアグラウンド（緑）のノードへ接続して、Trackerのインスペクタの下の赤丸ボタンを押して、Operationに”Corner Positioning”を選択します。
するとフォアグラウンドへ接続したメディアが見事、はめ込み合成されました。
疑問点
実は紹介しておいてアレなのですが、現在この手法でいくつか問題があります。解決方法をご存知の方コメントいただけると嬉しいです。
- 再生してみるとトラッキングはされているものの、合成された映像がチラチラと消えたり表示されたりする。
- 合成する映像の再生開始フレームを設定したい
1.についてはもしかしたらDavinci Resolve15のパブリックベータ版のバグかな。と思っております。表示されないフレームもトラッカーの位置をちょっと帰ると表示されたりしますし。
2.についてはもしかしたらEDITタブで複数素材をタイムラインに並べた後、それらのクリップを選択してFusionクリップを制作するとよいのかも。その場合はすでにいくつかの映像がマージされるようなノードが自動生成されます。もしくはFusionパネルのタイムライン表示で移動すればいいのかもしれません。
まとめ
現在、この昨日は１の問題があるため実用できない状況にあります。バグであれば修正、わたしの何らかのミスであれば、それが何なのか見つかることを祈るのみ。。
2018/5/14 追記
コメント頂いたtaku3desuさんのチュートリアルがわかりやすかったのでご紹介させていただきます。
何時も拝見させていただいております。
私も、この手のチュートリアルを作ったのですが、Planar Trackerを使いました。
Fusion単体では同じ様にTrackerを使っていたのですが、DaVinch Resolve15では、Planar Trackerの方がとても使い勝手が良いようです。
問題２は、おっしゃるとおり複数タブを指定してFusionクリップを使うのが良い気がします。
アドバイスありがとうございます！
こちらもPlanar Trackerの方が使い勝手がよいのですね。。確かに前回の文字ではレンダリングの問題もなかったので一度そちらで試してみます。
問題２に関してもご教授ありがとうございます！