読売新聞社主催の「道の駅 EXPO 大阪2016」、関東道の駅アワードなどで司会・ライブ・公式応援ソングを担当している「ゴライト」というアーティストの歌う「ゴラドラ体操」という体操ソングのMusic Videoを担当しました。
まずは動画をご覧ください。
今回、私が手掛けるMusic Videoとしては初の「クロマキー合成」です。
クロマキー合成とは、緑や青を背景にして撮影し、撮影後に特定の色を「透明にする」処理を行って合成する技術です。
普段はFinal Cut Pro Xを使って編集してますが、今回はアニメーションもあったのでMotion5で。
Motion5では「キーイング」というフィルタを適用するだけで簡単に合成ができます。(もちろんパラメータ調整をする必要もありますが。)
撮影風景
ご覧のとおり、Amazonで買った緑色の背景で踊ってもらい、固定カメラで撮影しています。
カメラが動いてしまうと合成したときに人間もブレや動きが出てしまうので固定は必須ですね。
ご覧のとおり、音楽スタジオを(1時間貸し)で、その日京浜東北線が人身事故で遅れ、スタジオにすでに15分ほど遅刻していたのでいつも通り時間がありません。
もう、バーって準備して、バーッて撮影、バーッて撤収。大変でした。
で、クロマキー合成をやる時に気を付けたほうがいいことを書いていきます。
・緑の布はピンと張ってシワを伸ばす
画像を見てもらえるとわかると思いますが、ダルダルです。シワシワ。シワがあると影ができて緑にも色むらが出てるので結構キツめにキーを調整しないと全部抜けません。そうすると抜けなくていいところまで抜けてしまうので大変です。
・明るい場所で撮る
通常、映像は1/30とか低フレームで撮影することが多いですが、クロマキーの場合、一枚一枚の画がクッキリしていないと綺麗に抜けません。ブレたところは緑と肌色などの混合になってしまいますからね。
そのため早いシャッタースピードが必要です。今回はフリッカーもありましたので1/100で撮影してあります。
・緑の布に影ができないようにライティングする
ご覧のとおり、スタジオが狭く、天井も低かったので背景ギリギリに立ってもらっていますがこれだと足元の背景がかなり暗くなります。前述のとおりキーの色からかなり離れた色となり綺麗に抜けなくなっています。
被写体の影が背景に落ちないような面光源で綺麗にライティングする必要があります。
・ホワイトバランスに注意する
クロマキー合成後、合成用背景のホワイトバランスに合わせたホワイトバランスで撮影しないと違和感がハンパなく出ます。正直こんな暖色の照明で撮りたくはなかったのですが、仕方ないです。。(笑)
・画角に注意する
得にティルト角には注意しないと、背景は俯瞰なのに人物は煽り。みたいな変な映像になってしまいます。両方の画角を合わせましょう。
撮影時は緑の背景以外の部分が写ってもキーで抜く前に不要部分をクロップすれば済むので問題ありません。ただ、人物が動いたときに手や足が切れないようにしましょう。また、すべて緑の背景内に収まるように撮影しましょう。(撮影前にどれだけ動くのか、手を挙げてもらったり広げてもらったりしてちゃんと背景に収まってるか確認することが大事です)
緑色や青い布があれば比較的手軽にできてしまうので、挑戦してみてはいかがでしょうか?