Blackmagic Design主催DaVinci Resolve 15 Fairlightセミナーで覚えたことをまとめた

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みなさん!DaVinci Resolve 15使ってますか?

私は使ってます。結構メイン編集ソフトになってきました。

さて、今回Blackmagic Designさんが主宰するDaVinci Resolve 15のFairlightの無償セミナーに行ってきました。内容について記事にしていい。と許可を頂いたので早速まとめてみたいと思います。

アクセス

Blackmagic designさんのオフィスは新宿から小田急線各駅停車「東北沢駅」から歩いて5分ぐらいのところにあります。

途中何となくBlackmagic designぽい感じのマンションとかがあったりしますがあんまり関係なと思います。

なお、駅から歩く途中にローソンが2件、まいばすけっとが1件ありますよ。

裏口のインターホンから3Fの会議室に上がりました。参加者は7名。全員が映像制作者でした。

ヤツが展示された

ふわーーーー!BMPCC4Kが展示されてました。私はフ〇ヤさんで予約してるものの未だ来ず…しびれを切らして問い合わせたらフジ〇さんではまだ1台も予約したお客さんに渡せてないらしい。どういうこと!!!Blackmagic designさん、〇ジヤエービックさんに出荷して。。20台ぐらい出荷して…

一応「コンスタントに2~3台ずつ国内には入ってきている」という情報を頂けました。

Fairlightとは

同社の映像編集ソフト DaVinci Resolve 15に入っている音声編集機能を言います。

音声編集ソフトというとProToolsやNuendoが有名ですが、Fairlightはより「映像に付加するための音声編集」に長けている。とのこと。

DaVinci Resolveは以前Blackmagic Design社に買収された歴史があるんですが、買収前はNHKをはじめとした放送局の整音で使用されてた。とか。

DaVinci Resolve、バージョンが15に上がってFusionが統合されたり色々と機能が多くなっていますが、実はその中で一番機能的に少ないのがこのFairlight。だということです。

Fairlightがもつ4つの機能

Fairlightには主に4つの大きな機能があります。

ボリュームコントロール(Volume Control)

一番単純なボリュームコントロール。それぞれのクリップやBGM,SFXのボリュームを調整する機能です。

パンニング(Pannnig)

ステレオや5.1chなどの映像で、音をどの方向に配置するかを決めるのがこのパンニング

ダイナミクス(Dynamics)

小さい音を大きく・大きい音を小さく、またはその逆を行う事で聞きやすい音量・音圧に整えるのがダイナミクス。これはもの凄く奥が深い。

イコライジング(EQ)

不要な周波数帯の音声をカットすることでノイズを減らしたり、必要な部分の周波数を強調することで聞き取りやすくしたりするのがイコライジング。

と、まぁこのように4つの機能があるのですが

厄介なのはEQとDynamicsです。

セミナーの流れ

今回のセミナーでは、あらかじめ用意されたプロジェクトにSFX(サウンドエフェクト)を追加し、インタビュー音声をダイナミクス・EQやノイズリダクションを使用して整音する。という内容になっていました。ノートPCとヘッドフォンを持ち込んでいるので講師の岡野さんと一緒に自分で作業できるのがとてもわかりやすかったです。

オーディオワークフロー

セミナーでは下図のような一般的なオーディオワークフローに基づいて進められました

セミナー資料より抜粋

アセンブリ・トリム編集は主に通常の映像編集作業になります。要らない部分をカットして繋げて構成を行っていきます。

今回は予めプロジェクトが用意されていたので、スポッティング(マーカー)からミキシング(トラックごとの音声編集)までを行いました。

スポッティングってなんやねん

スポッティング(マーカー)とは、今回のセミナーでは主に、

SFX(サウンドエフェクト・効果音)が必要な場所と、対応する効果音にマーカーを打って視覚的な相関を取る。という作業でした。

例えば「飛行機の離陸する映像」に効果音集から「飛行機の離陸する音」を見つけ、それぞれに「飛行機の離陸音」というマーカーを付けておきます。こうすることで後々の処理をしやすくするんですね。

飛行機の離陸音の素材は「離陸音」だけならわかりやすいのですが「プロペラ音」や「飛行音」など他の効果音と繋がって一つになったWaveファイルなので、Waveファイルの中の「離陸音」部分にマーカーを打つのです。これがスポッティング。ということでした。

JKL再生が便利

スポッティングを行う場合は素材を再生したり停止したり、早回し・早戻しを繰り返す事が多いのですが、これを行うときの小技として「JKL再生」というものがあります。

これはキーボードの「J」「K」「L」がそれぞれ、逆再生・再生/一時停止・再生に対応していてこの3つのキーで再生制御を行える。というものです。

J/Kを複数回押すと倍速動作になりますのでタイムラインをスムーズに移動することが可能です。

また、Kを押しながらJ/Lキーを押すことでコマ送りをすることが出来ます。

音声ファイルをソースウインドウで表示するときは倍率をこのように変えられるのでより正確に目当ての音を探すことが出来る

Point:長さを持ったマーカーを作る

スポッティングでマーカーを打っていくとき、長さを持ったマーカーを作ると便利な事があるようです。

FairlightではMキーを押すとマーカーを打つことが出来ます。タイムライン上に打つこともできますし配置したクリップにマーカーを打つことも可能です。配置したクリップにマーカーを付けた場合、クリップを移動してもマーカーは一緒に移動しますのでクリップ上の点をマーキングしたい場合はクリップを選択した状態でMを押してマーカーをクリップに付けましょう。

Mキーを連打すると直接マーカー編集画面が開きます。(マーカーのダブルクリックでも開く)

この時、マーカーの編集画面で「長さ」部分を指定するとIn/Outを持ったマーカーを作る事が出来ます。

また、ソースビューワーでのIn/Out点を選択して出てくる右クリックメニューから、In/Out点をマーカーに変更することも可能です。(その逆も可能。それがとても便利)

マーカーからIn/Out点に変更する場合は、マーカーを右クリックして出てくるメニューから”Set In and Out from Duration Marker”を選択する

SFX素材の配置

SFX素材を配置する場合はタイムラインに新規オーディオタイムラインを制作し、そこに素材を配置していくのが良いでしょう。この時[A3]のようなトラック番号をクリックして赤枠を表示させておくと、素材をそのタイムラインに優先的にロードさせることが可能です。

マーカーの位置に再生カーソルを合わせて、(SHIFT+上下キーでマーカーへジャンプ)クリップを選んだ状態でXキーを押すとIn/Out点がそのクリップに合わせられます。(In/Outを消す時はAlt+X)

クリップを選択してXキーを押すと選択したクリップの範囲でIn/Out点が作られる

ソースエディタ上でもカーソルをマーカーに合わせDavinci Resolve画面の右側にドラッグしていくと、挿入メニューが現れますので、「置き換え」を選ぶと赤枠に指定したタイムラインにドラッグした素材が、カーソル位置を保って挿入されます。

この時、メディアプールをリスト表示にしておくと素材のファイル名の中に設定したマーカー情報がツリー表示されますのでより簡単にマーカー位置へ移動が可能です。

 

クリップをリンクしておく

配置したSFX素材は関係する映像クリップとリンクしておきましょう。こうすることで映像クリップを移動した場合にもリンクされたSFX音声もタイミングを保ったまま移動することが出来ます。

Cmdキーを押しながら映像クリップとSFXクリップを複数選択し、右クリック→クリップをリンク。で複数クリップをリンクすることが出来ます。

ちなみに映像クリップを移動するときはCmd+SHIFTを押しながらドラッグすると「スワップ移動」といって移動先のクリップと場所を入れ替えて移動することができますので、前後のクリップと表示タイミングを入れ替えたいときはとても便利に使用できます。

配置が終わったので整音作業に取り掛かる

SFX素材の配置まで完了したので整音作業に取り掛かります。

さぁいよいよFairlightページに!と思いきや、実はEditページでかなりのことが出来るのです。

例えば追加したSFXのボリュームが大きい。こういう時はクリップに表示される横線をD&Dすることでボリュームを直接コントロールできます。

複数のクリップで同様の設定を行いたい場合、「属性をペースト」機能を使うと便利です。

ボリューム調整が終わったクリップをコピーして

適用したいクリップの右クリックメニューから「属性をペースト」を選択します。

どの属性をペーストするかダイアログが表示されるので、今回は「オーディオ」にチェックを入れるとコピー元のボリューム値などが適用されます。

また、音声をフェードイン・フェードアウトさせたいときはクリップ端のポイントをD&Dしてカーブを設定できます。しかも途中にポイントを弄ることで立ち上がりまで調節可能。

白い点でフェードイン・アウトの時間、赤い点でカーブを設定できます。

なお、EDITページに備わっているオーディオ編集機能とFairlightページの編集機能は同じエンジンを使用しているのでクオリティに差はない。とのことでした。

いよいよFairlightページ!

簡単なクリップ単位のボリューム調整を終えたのでいよいよFairlightページに。

クリップ単位ではなくトラック単位でのコントロールを行うときはこちらのページが便利です。

ミキサーとレベルメーターを表示しておくと使いやすい。とのこと。

インタビュー音声の整音作業

先ずはインタビュー音声を整音してより「聞き取りやすい音」にする作業を行います。

そのために使うのはイコライザ

人の声は大体400Hz~1kHzに多く含まれており、これはソプラノ歌手でも2kHzぐらいだそうです。

ですのでそれ以外の音域はバッサリカット。今回のインタビューでは80Hz以下と4kHz以上をガッツリとカットしました。

ループ再生が便利

オーディオの整音作業は再生しながら行う事になりますので、ループ再生をONにしましょう。

整音する部分にIn/Outを設定し、ループ再生ボタンをオンにした後、Alt+「/」キーを押すとループ再生が始まります。これでいちいちカーソルを戻したりすることなくモニターしながらかかり具合を調整することが出来ます。

複数トラックを一括処理する場合はバスを作ろう

例えばインタビュー音声が2つのトラックにまたがって配置されていたとします。

この時同じEQやダイナミクス、ノイズリダクションのパラメータを複数のトラックに設定するのは結構面倒臭い。(設定のコピー・ペーストが可能になりましたがそれでもメンドウクサイ)

そういう時は「バス」というものを作成して、複数トラックの音声をいったん「バス」に送って、そのバストラックを整音する事でまとめて処理をしちゃおう。とうい便利な機能。

バスの作りかた

Fairlightメニューから「バスのフォーマット」を選択し、「サブバス」を作ります。

「バスの追加」から「サブ」をクリックしてサブバスを作成。今回はインタビュー音声用・SFX用の二つバスを作った

ミキサーウインドウを広げてあげると出力先のところにメインの他に作ったバスが表示されているので、メインを切ってその代わりにバスへ送ってあげます。この時メインを切り忘れるとメインとバス両方に送られてしまうので注意!

ミキサーを縦に広げると「メイン・サブミックス」と出力先選択パネルが出てきた。 バスに送るチャンネルはメインへは送らないようにしておくことが大事。

このバストラックに対してEQやダイナミクスを使えば何回も同じ設定をコピペする手間もなくなります。

なお、バスへはポストフェーダー(ボリュームフェーダーの後ろから)でバスへ送られるようなので注意してください。

その他・付属プラグインについて

ダイナミクス系の説明もありましたが、長くなりすぎるので割愛します。コンプレッサ・リミッターゲート・エキスパンダーあたりをググってもらえればある程度勉強できると思います。

ノイズの消し方

ノイズの消し方ですが、ホワイトノイズを消すのにGateは宜しくなくEQ、またはNoise Reductionプラグインを使用することが推奨されました。

ハムノイズはDe Hummer、サシスセソの歯擦音を和らげるにはDe Esser(ディエッサー)、風切り音はEQやNoise Reductionを使用するとよいです。

便利っぽいVocal Channel FX

Vocal Channelというプラグインが標準で入っていますが、これはハイパスフィルタ・EQ・コンプレッサーが一つにまとまったプラグインなのでこのプラグインを一つ適用すると人の喋り声の整音作業はこれだけで出来る。とのことです。

まとめ

私は長らく音楽畑でしたし、ダイナミクス系エフェクトとか自分で開発してるぐらいなので仕組みやら効果は理解していますが、実際にどう使うか。とかそういう部分は正直弱いな。と思っていたので助かりました。またちょいちょい教えてもらえる小技が凄い。

こういうセミナーはずっと映像やってきたけど音がわからない。とかいう多くの人にものすごく有意義ではないかと思います。しかも無償でしたので参加して損はありませんでした。

皆様も次またこのようなセミナーがあれば是非参加してみてください。

 

おわりに

Blackmagic Designさんのオフィスにほど近い「千里眼」さんのラーメン大(ショウガアブラ辛揚げ)うまし!でも量多し!ちょっと後悔。

 

こちらのガイドブック、Fairlightの説明も入っているとのことなのでオススメされておりました。

 

 

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