電気の力で動く現代のどんなカメラに欠かせないもの。それはメディアとバッテリー。
意外と知らないバッテリーのお話。今回はそんなお話をしてみたいと思います。
目次
持ってるカメラ用バッテリー(一部)を集めてみた
私が持ってるバッテリーを集めてみました。他にも多分ありますがざっと集められるだけ集めてみたよ。
今回は持っている色々なカメラのバッテリーを紹介する。という誰が得するのかよくわからない記事です。読み飛ばしてください。
単3電池型ニッケル水素充電池
カメラに限らず各種電化製品に使用されるバッテリー。
DC1.2V 1900mAh (2.3Wh)。(Amazon Basicニッケル水素単三電池の場合)
カメラでは主に照明機器(LEDライトやクリップオンストロボ、ワイヤレストリガーなど)や音声機器(マイクの電源、PCMレコーダーの電源)に使われることが多い。
スチルカメラ用バッテリー
Canon LP-E6互換
Canonの一眼レフでよく使われているバッテリー。Canonのカメラ以外にもBlackmagic Design社のVideo AssistシリーズやMicro cinema cameraシリーズに使用される。
DC7.2V, 1800mAh (12Wh) 約80g。 (Canon LP-E6Nの場合)
Nikon EN-EL20互換
NikonのNikon 1シリーズで主に使われているバッテリー。Blackmagic Design社のPocket cinema cameraでも使用されている。
DC7.4V 1020mAh (7.4Wh) (Nikon EN-EL20の場合)
Panasonic DMW-BLF19互換
Lumix GH3/4/5で使用されているバッテリー。形も仕様もLP-E6に似ているが互換性はない。
DC7.2V 1860mAh (14Wh)
ビデオカメラ用バッテリー
Sony Lシリーズバッテリー
「NP-FXXX」型番(XXXは数字)。業務用のハンディビデオカメラなどに使用される。また比較的大容量であるため、照明機器や液晶モニター、外付けビデオレコーダーなども採用。
DC 7.2V、各種容量(大きめなSony NP-F970で6,300mAh (45Wh))
Sony V/P/Hシリーズバッテリー
「NP-FVXXX」や「NP-FHXXX」、「NP-FPXXX」など、NP-Fの後にアルファベットが一文字入る。主にSONYの小型ハンディビデオカメラで使用される。一部照明機器などでも使用できるものがある
DC8.4V 各種容量(大き目なNP-FV100で3700mAh(25Wh))
Vマウントバッテリー
高電圧、大容量で、大型なENGカメラやシネマカメラなどで使われる。照明機器でも使用できるものがある。100Whを超えるものがあるため、航空機利用の場合は持ち込み制限に気を付ける必要がある。充電器からバッテリーから、全てが高価。
DC14.8V 各種容量(大き目なIDX DUO-C190で12.8Ah、185Wh)
というわけで私が持ってるバッテリーのうちの一部をご紹介しました。
カメラは大体7.2Vかその倍の14Vぐらいのバッテリーで動く。ということを覚えておきましょう。
互換バッテリーについて
Amazonが普及して、中国製品を気軽に買える時代になりました。と、同時に安価に安い互換バッテリーを入手できるようにもなりました。
ここで気を付けてもらいたいのが「認証マーク」の有無。
主にバッテリーで認証マークとしてついているのはCEマークとFCCマーク
この二つは、まぁ詳しいことは各自調べてもらうとして
- CEマーク:アメリカで売っていいよ。
- FCCマーク:EU諸国で売っていいよ。
とそれぞれの認証機関が承認した製品だという証明になっています。
ですので、とりあえずこの二つが付いていれば「安心」といえる。と考えていいと思います。
とはいえ、粗悪なバッテリーの火災・事故が多く報告されている世の中ですから、自己責任で気を付けて使用してください。
Vマウントバッテリーについて
このところ、Vマウントバッテリーについていろいろと調べていました。
Vマウントバッテリーってガチンコで業務用機器のバッテリなので情報が少ない。
どうやって充電するのか。とか、どうやって使うのか。ってところが特にわかりませんでした。
Vマウント。っていうぐらいですから「V」があります。写真の上の方。こちらがVマウントのバッテリー側。カメラ側にはこのVの受け口があり、上からスライドして入れるとカチっと止まる仕組みになってます。ロック機構もついてますよ。
で、電源はこのVのところからではなく、下の5ピンから出力されます。14Vぐらい。
ここが主にカメラへの電力供給部になります。
Vマウントバッテリーの多くはこの「D-Tap」と呼ばれる端子を持っており、ここからさらに別の機器へ給電が可能になっています。IDXのバッテリーなどはさらにUSB形状の5V出力を持っていたり、各社の個性が光ります。
このD-Tapからはやはり同じ14Vぐらいが供給されます。
充電方法は、基本的にはバッテリー下部の5ピン端子から、専用充電器を使って充電します。ただ、IDX社のバッテリは充電用のD-Tap端子を備えていたり、中華な製品ではD-Tap用の充電器が販売されていたりします。このような中華製品を使ったD-Tapからの充電の安全性については正直まだ分かっておらず、個人的にはやめておこう。という判断をしています。
容量について
バッテリーの容量は、主にmAhやWhなどで表示されますが、この単位は、「その電流量やW数で1時間ピッタリ持ちますよ」という意味になります。
例えば10Wの消費電力のカメラに10Whのバッテリーを繋いだら1時間で電池が空になります。90Whのバッテリーなら9時間。
で、気を付けなければならないのはmAh。例えば上で紹介している単3の充電池もLP-E6も、大体1800mAhと同じ数字になってます。なんとなく同じ容量?って思う人もいるかもしれませんが、これは「電圧」が違うのです。
単3型充電池の電圧は1.2Vで、対するLP-E6は7.2V。実に6倍。これを
P(W) = IV
という公式に当てはめると、Whで見たときにはLP-E6はeneloopより6倍の容量を持っている。ということになります。
ですからバッテリー容量の単位はWhを基本にすると色々と捗ると思いますよ。
ちなみに、例えば単3型充電池、1.2V/1800mAhを
- 並列にした場合 1.2V/3600mAh
- 直列にした場合 2.4V/1800mAh
となります。どちらもWhは4.32Whで変わりません。電圧を増やすか、電流量を増やすか。という部分が変わってくるんですね。
以上、バッテリーよもやま話でした。ここまで付き合ってくれてありがとうございましたmm