写真を趣味にしていて、またはこれから写真を始めたいと思ってる人で、絞り値を自分で決める。ってシャッタースピードを決めるよりも難しいことだと思っています。
そんな初心者でも最適なF値を決める方法を書いてみようと思います。
基準F値は4.0
基本的にレンズというのは絞ってあげた方が解像します。(髪の毛一本一本とか、細かい部分の描写が綺麗になる)
しかしながらF22とか絞り過ぎると回折現象というのが出てきて、解像度が落ちてきます。
大抵のレンズはF8-11あたりが最も解像度が高いかと思われます。
しかしご存知の通り絞ると当然光の量が減り、遅いシャッタースピードやISO感度が必要になります。
例えばF4からF8に絞り値を2倍に変えた場合、4倍のISO感度か4倍の長さのシャッタースピードが要求されるのです。
そこで、私は解像度と明るさのバランスのいいF値としてF4を基準F値として使用しています。
この基準から、解像度犠牲にしてボカす、または明るくするか、より被写界深度を上げるかを選択するようにしています。
でも、この手法に気づいたのって、F1.8やF2.8なと明るいレンズを持ったごくごく最近なんですよね。それまではキットレンズをメインで使っていました。
キットレンズにありがちな3.5-5.6とかの暗いレンズだと、開放のF値が既に上記の基準値に近い値、またはそれより暗い値になっています。
当然、多くの撮影シーンでは絞りを開放にしないといけない。
そんなレンズを使ってたので、レンズは開放で使うのが当たり前。一眼レフなんだから、どれだけ背景ボカして撮るかが勝負でしょ??なんて勘違いしていた時期もありました。
写真関連のサイトや書籍で、なぜこんなに高いF値で写真を撮っているんだろう??とさえ本気で疑問に思っていました。
多くの初心者向け書籍やサイトも、絞り値の変化による明るさ、ボケ量の変化は記述していても、どうF値を選択するのかは記載してません。そりゃ撮影者の主観が大きく作用するので当然です。
そこで、私は最適なF値の選択方法として
F4で一枚撮ってみて、それから決める。
という手法を考えました。
解像度を犠牲にしてもF4の写真よりボケが欲しい時や、ISOもシャッタースピードもギリギリで明るさが欲しい時は少し低いF値で試す。逆にもっと解像度を上げたい時、ピントの合う範囲を上げたい時は高いF値を選択して試すことを繰り返すことです。
そうする事で最終的にボケ量、解像度、被写界深度のバランスのいい写真を撮る事ができます。
結果として、ボケの効いた柔らかい写真を目的に開放になったとしても、それは初めから考えずに開放で撮った写真とは異なるものになっていると思います。
慣れてくれば試行錯誤せずとも最適なF値を経験から判断できるようになってくるでしよう。
『明るい、ボケるレンズ』
というキャッチコピーに惑わされ解像度の甘いピンボケ写真を量産しないためにもオススメの手法です。
ちなみに、被写体が風景の場合は基準F値をF8としています。
よくキットレンズは上達しない。とか意見を聞きますが、こういう理由があるのかも。
初心者はF値に余裕があって安い単焦点の方が上達が早いのかもしれません。
ブックオフでデジタルカメラ・マガジンの2013年6月号を100円で買いました。F値のことが詳しく書いていたり、作例を見ながら最適なF値を答えるクイズなんかもあって、とても勉強になります。お勧め。