写真と違い映像では「電源管理」というのがものすごく重要になります。
特にライブやオーケストラのコンサート・舞台というようなイベント撮影では長くて2時間以上カメラを回し続ける必要があるため、電源管理をシッカリしないと
撮影中に電源が落ちた。
なんてトラブルが発生したりします。
目次
電源をどこから取るか?
バッテリー
一番多くの人がやっているであろう方法がコチラ。バッテリーを使う。
メリットとしては
- カメラの設置場所がコンセントの位置に影響されない
- 長い延長コードなどを持ち歩かなくて済むので荷物が減る(場合がある)
- 電源コードの養生をしなくて済む
- 管理さえできていれば安定した電源
という事があげられます。逆にデメリットとしては
- 途中で電源が切れるかも。という不安
- 一般的なミラーレスカメラであれば頑張っても2時間ぐらいしか持たないので途中でバッテリー交換が必要。
- 長い現場や消費電力の多い機材では多くのバッテリーが必要となり荷物が増える
といったところでしょうか。
現場に設置してあるコンセントからもらう
私の場合は多くのカメラなどを現場のコンセントから電源を取って使用しています。
メリットとしてはやはり「バッテリー切れの不安がない」こと。ワンマン撮影を行う事が多いので固定で放置しているカメラが多く、万が一バッテリーが途中で切れると交換ができない。というケースが多いからです。
ただし、現場で電源を借りるときにはある程度注意するべき項目があります。
現場で電源を借りるときの注意点
勝手に借りない
出来れば撮影当日ではなく前もって、会場に連絡をして借りられるか確認をしておくのがベストです。また、その時にコンセントの位置を大まかに教えてもらえると持っていくべき電源ケーブルの長さなどを割り出し、無駄に荷物を増やすことが無くなります。
なお「電源借りられますか?」
と言うより、
「平行お借りできますか?」
と言った方がギョーカイ人ぽくなります。でも私は電源借りられますか。と聞くことが多いですが。(平行=日本で一般的に使われている電源コンセントのコト)
さらに、自分が使用するカメラの消費電力を知っておくと良いでしょう。特にライブや舞台撮影などでは多くの照明・音響機器を使用しているので電源容量がギリギリなケースがあり、その場合に黙ってコッソリ借りてしまうと最悪、容量オーバーで公演中にブレーカーが落ちたりしてしまいます。
そのコンセント、本番中も生きてますか?
恐らく事前にハコのスタッフさんと話していれば問題ないと思いますが、過去2回ほど
本番中には通電しないコンセント
を見つけた経験があります。どうやら照明機器用のコンセントで設営時は他の照明もついているので通電してますが、本番が始まって客電が消えたとたんそのコンセントも電源が切られる。という恐ろしいトラップコンセント。
しっかりスタッフさんに使っていいコンセントを聞くように注意しましょう。
電源タップに持って行った延長コードがささりますか?
現場での電源トラブルで一番多いのがコチラ。
1週間前に平行の位置を電話確認して、当日意気揚々と延長コードを刺そうとしたその瞬間…
あれ?刺さらない
平行口が両方小さいタイプのため、極性があるACプラグが刺さらないケース。
そう。こんな感じ。手前側が、穴よりプラグの方が大きくて刺さらない。ご存知の方も多いと思いますが、日本の壁コンセントって左右の穴が微妙に大きさ違うのです。普通は左の方が大きい。
これは実はコンセントにも極性があるからなんですね。日本の一般的な電化製品は極性を問わず使用可能になっているのであまり普段気にしないで使えるのですが、一部のACタップには、この極性が無く、両方小さい穴になっている製品があるのです。
手持ちの無印良品のACタップはまさにそれで、両方の大きさに違いがありません。
対するこちらはIKEAで買った延長コードのACプラグ。右側が大きくなっていますね。ですのでこのACプラグは両方小さい穴のタップには使用できない。ということです。
延長できなければ電源は取れない。つまり事故。事故ですよ!たいへん。
以前このトラブルに遭った私は走ってダイソーへ走り、両方小さいACプラグで、ちゃんと極性に対応した平行口のある20cmほどのACタップを108円で購入し難を逃れたことがあります。それ以来このACタップはお守り替わりにカバンに入れてあります。
ストレスをなくそう
それならばIKEAの延長コードのACプラグを極性のないものに変更してやればいい。というわけで、ホームセンターでACプラグを買ってきて交換しました。壁コンセントでなければ電気工事士などの資格も不要ですので、自己責任でやってみるのもいいかもしれまっせん。
AC電源が出来ないカメラはどうしたらいい??
私が使っているDMC-GH4などのミラーレスカメラは外部電源入力ができないのでバッテリーでしか使えない…とお思いかもしれませんが、実は「DCカプラー」という方法でAC電源で使用することが出来ます。
バッテリーの形をしているDCジャックの付いた「ダミーバッテリー」をGH4のバッテリーの代わりに入れ、ピョロっと出たケーブルにACアダプタのプラグを接続するだけ。
GH4は純正でもカプラーを用意してあるため、ちゃんと本体に「カプラー用のケーブルを出すためのスリット」が存在します。
カプラーとACアダプタを接続する部分は抜けやすいので、養生テープなどで留めて置いたり団子結び状にして負荷がかかっても抜けないようにしておきましょう。(抜けたら即電源落ちるからね)
ポータブル電源という選択肢
まぁAC電源を使う方が、ケーブルの養生は大変ですし色々と設営撤収は面倒ですが精神衛生上オススメです。
ただし、記事に書いた通りAC電源を問題なく使うためには割と色々な問題をクリアしなければなりません。
そこでオススメするのがポータブル電源。
【ポータブル電源】RAVPower RP-PB054を買ってみた
近年、安全・大容量・低価格が進むリチウムイオンバッテリーを使ったAC100V出せるモバイルバッテリーです。
これならば当日のコンセントの場所を気にすることもなく、重い長い延長コードを持ち運ぶこともなくコンセントの穴の形状も気にすることなく運用することが出来ます。
実用60Whぐらいの容量もあるのでGH4程度でしたら数時間余裕で使用することも可能。
現場で急に電源が取れない!という常用でも安心のバックアップ電源にもなります。最近はこのタイプのモバイルバッテリーを2発ぐらい、予備で持ち込むことが多いですね。
カメラ、記録メディアと同様に大事な電源のお話、如何でしたでしょうか?少しでも事故・トラブルの無い撮影が出来ますように!
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