最近、バンドのスタジオ一発撮り映像を作る事が多いサカイです。
で、これはちゃんとレコーディングエンジニアの方を入れての録音なのですが、将来的には音も自分で録れたら楽しいなーと機材を色々と考えておりました。
手持ちの機材
今手元にあるマルチチャンネル録れるレコーダーは以下の二つ
Zoom F8n
Zoom H6
F8nは最近導入した8chレコーダー。H6はXLRは4chですが、別売のEXH-6というオプションを使えばXLRが6入力で使えます。
想定しているマイク本数
例えば4pcsのバンドをレコーディングしたとすると
- ヴォーカル
- ヴォーカルギター
- ギター
- ベース
- ドラム(キック)
- ドラム(スネア)
- ドラム(シンバル&タム)
- ドラム(ハイハットタム)
と少なく見積もっても8ch必要になってくるんですが、これに例えばコーラスとか入ってきたり別の楽器入ってきたらF8nの入力数超えてしまうわけです。あとはAirの音撮りしちゃったらもう10chだし。
で、F8nとH6を同時にレコーディング出来たら14ch録れるので、これはイケないかなーと思ったわけです。
調べてみた
というわけでZoomのこの2台のレコーダーが同時使用に耐えられるのか、実験することにしました。
実験内容
2台のレコーダーに、同一のプレーヤから正弦波の信号を5分おきに2回入力し48kHzで録音する。
レコーディングされた音声信号の最初の正弦波を同期し、5分後に入力された正弦波が何サンプルズレているか調べる
実験の目的
この実験ではZoom F8nとZoom H6を同時使用して一般的な楽曲(おおよそ5分)をレコーディングした場合、何サンプルのズレが発生するかを調べる。サンプルのズレが大きい場合は同時使用した場合にコムフィルタ(櫛型フィルタ)が発生するため同時使用には適さないと判断される。
結果
レコーディングされた音声をAudacityに読み込ませ、2つのトラックの開始位置を合わせたものがコチラ。開始位置がしっかりと合っている事がわかります。(今回はL:1kHz,R:400Hzの信号を使用)その状態で2回目の正弦波の入力位置を見てみますと、選択部分だけZoomH6の信号が早く始まっていることがわかります。この時の選択部分の長さは61サンプルでした
つまり、手持ちのZoom F8nとH6では約5分で60サンプルのクロックずれが発生することになります。
考察
この状態のままレコーディングに2台のレコーダーを使用してしまうと、60サンプルの倍の120サンプルの波長の信号(400Hzの倍音)部分にコムフィルタが掛かる事になります。やはりZoom F8nとH6を同時使用してバンドレコ―ディングすることは避けた方がよさそう。という事がわかりました。
この問題を解決するためには
- 外部クロック入出力のできるZoom F8シリーズをもう1台用意し、クロック同期したうえで16chレコーダーとして使う
- Zoom L12やL20などのより多チャンネル録音のできるレコーダー、またはAudio I/FとDAWを使う。
という事が必要だと考えられます。