ピンマイクを644円以内で用意する。
とは言え、Alesis MICLINK WIRELESS(XLR入力)に対応するピンマイクが644円以内で買えるわけがありません。
しかもピンマイクの多くは「コンデンサマイク」タイプ。つまり、ファンタムなりプラグインパワーなり、電源供給が必要となります。
ない。
なら作る。
鉄腕DASHみたいになってきました。
WM-61Aというマイク
実は私、昔から、手作りカホンにマイクを仕込んでエレアコカホンを作ったり、ミニギターにピエゾ素子を組み込んでミニエレアコにしたりと、そういうことを良くやっていたのです。なのでこのマイクも結構使ってました。
このWM-61Aというマイク、パナソニックが生産していたコンデンサーマイクの「電子部品」です。
現在は生産が完了したのか互換品しか買えないようですね。
秋月電子という秋葉原の部品屋さんで売ってます。通販も可能。
この相当品。とやらならば一つ50円でマイクが買えます。
これで残金は644-50 = 594円。
ただ、よくあるマイクのような、XLR端子やフォン端子なんてついてません。はんだ付けする必要があります。
筐体を考える。
上記のコンデンサマイクは「プラグインパワー」と呼ばれる電源を必要とします。ですので電源供給機能がないMICLINK WIRELESSでは基本的に使えません。
そこで、マイクとMICLINK WIRELESSの間に「電源供給機能」を持ったアダプタを入れることで、MICLINK WIRELESSにコンデンサマイクを接続できるようにします。
電源はできれば入手性のいい単3か単4。できるだけ小型でポケットに入る。MICLINK WIRESSとの接続性もいい。
となると、「筒状の電池ボックス付きケース」がベストです。
でも電池ボックス付きケースで筒形ってあんまりないですよね。
でも、ちょっと考えるとありました。
100円ショップのフラッシュライト(懐中電灯)
最近の懐中電灯は、中に単3なり単4なりを複数入れれる「電池ケース」が入ってるタイプがあります。
つまり、それ一つでケースと電池ボックスを手に入れることができます。
ついでに3.5mmのオーディオ延長ケーブルを一つ買ってください。ピンマイクの線に使用します。
(本当はシールド線がいいんですが、今回はある程度のノイズは許容する。というスタイルで。)
100円ショップで2つ買ったので216円。残金は594-216 = 378円。
速攻で分解します。フラッシュライトとして生まれてきたこの製品には申し訳ないですが、一度もフラッシュライトとして使われることがありませんでした。
XLR端子
あとはこのフラッシュライトに組み込むXLR端子を。
今回はNEUTRIK社の基盤取り付け用端子を使用しました。
サウンドハウスで129円(税込み)
不要な樹脂部分は削ってフラッシュライトにちょうどいい径に加工。
LEDが入っていた部分にぴったり。すごい。この既製品感。
あとはどこのご家庭にもある(?)、抵抗・電解コンデンサ・リード線を使って、コンデンサマイクを買ったときについてくる説明書の回路図を組みます。電池ボックスは単4が3本ですが、2本分のみ使用(1.5V x2 = 3.0V)して、空いた部分に組んだ回路を入れます。
XLRは、「バランス」とよばれる伝送方法で、HOT/COLD/GNDと3本です。HOTとCOLDはそれぞれ位相が異なる信号が流れますが今回はHOTにのみ接続しました。
組みあがった後、実際に音声が出力されているかテストが完了後、こちらもどこのご家庭にもあるホットボンドで絶縁処理+固定します。
完成
出来上がったのがこちら。自分はピンマイクを着脱できるように3.5mmのジャックを組み込みました。
ちょっと見栄えが悪くなりましたが許容範囲内です。
これで、MICLINK WIRELESSを接続すれば見事一万円以内でできるピンマイクワイヤレスシステムの完成。
やっぱりシールド線を使わないとノイズがかなり多いですね。これは改良しないと現場では使えないかも。
実験としては面白いのでワイヤレスマイクを探している方、トライしてみてはいかがでしょうか?