大切な撮影データの消失を防ぐために心がけていること ~その2~

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前回の記事では、撮影中のデータ消失に関して人的ミス(ヒューマンエラー)を防ぐ為に心がけることについてお話ししました。ちょっと当たり前の注意事項なカンジはありましたが、当たり前の事を当たり前にやることが大事。ということで。

今回はちょっと話を逸らして、データを記録させるのに最も重要な記録媒体についてお話ししたいと思います。

あなたのSDカード、最後にフォーマットしたのいつですか?

いきなりこんな質問をぶつけてみます。私の場合は、撮影準備段階で毎回すべてのカードをフォーマットしています。それには撮影時のリスクを少しでも減らす目的があります。

記録媒体は「自由帳」

あなたがお使いのSDカードもCFカードもHDD、SSDなんていう大容量メディアも、実は中身は膨大な量の「自由帳」なんです。

記録するデータはこの自由帳の空いたスペースに乱雑に記録されます。1つのファイルが1つの場所に記録されるならまだいいんですが、中途半端に空いたスペースがあるとファイルを分断化して、いくつかの空いた場所を使って一つのファイルを保存したりもします。

当然、ファイルを早く見つけるには「目次」なり「索引」が必要になります。これを「ディレクトリエントリ」と呼ぶんですね。このディレクトリエントリにはフォルダ構成やらファイル属性やら、実際のファイルが記録されてるエリアへのアドレス(位置情報)が保存されています。

このディレクトリエントリが正しく保たれているからこそ、機械は目的のファイルを見つけ出すことが可能なんですね。

ディレクトリエントリが破壊されるということ

つまり、このディレクトリエントリが壊れてしまった場合。普通の機械では目的のファイルが見つけられなくてギブアップ。ということになります。つまりデータ消失です。

※一般的なデータ復旧ソフトはこのディレクトリエントリの修復を行います。索引の修正ですね。しかし、100%の保証はありません。

またディレクトリエントリの壊れた状態では、上書きしていい場所と上書きしていけない(ファイルが存在する)場所の区別ができませんので、新たに書き込むファイルで存在しているファイルを破壊する場合があります。

ファイルの削除・追加を繰り返すということ

このディレクトリエントリ、ファイルを作成すると当然索引に新しいファイル情報が追加されます。でも削除した場合はどうでしょう?この場合、索引から取り除かれるのではなく「削除済み」マークが付くだけなんですね。二重線で取り消すようなものです。

ですのでファイルの作成・削除を頻繁に繰り返したメディア。というのはディレクトリエントリが膨大に膨れ上がっている可能性があります。そんな状態でファイルを開く時、索引の初めからファイルが見つかるまでずーっとファイル情報を探す作業が始まります。五十音順に並んでないタウンページで目的の人を探すようなものですかね。

これは即ちメディアの性能低下を意味します。また、索引がぐちゃぐちゃになっていけば予期せぬエラーが発生しディレクトリエントリの破損の可能性も高くなってくるわけです。

論理フォーマット=ディレクトリエントリの再構成

フォーマット(初期化)には「物理フォーマット」と「論理フォーマット」という二つのフォーマットがあります。

物理フォーマットは自由帳すべてを消しゴム(0データ)できれいさっぱり消し去ること。当然時間が掛かります。

対する論理フォーマットは、索引部分のみを消して再構成することです。

全てを消さないので格段に処理が早く一般的なフォーマットはこちらの論理フォーマットが採用されています。索引を新規に新しくすることで新しく作るファイルを見つけやすくしているんですね。

 

もしかしたらアナタの手元のSDカード、膨大なディレクトリエントリを持っているのではないでしょうか?

毎回やる必要はないですが定期的なフォーマットをお勧めします。

次回、大切な撮影データの消失を防ぐために心がけていることシリーズは撮影後~帰宅までに気を付けることにフォーカスをあてたいと思います。

ではでは!

 

“大切な撮影データの消失を防ぐために心がけていること ~その2~” への2件の返信

  1. ピンバック: 大切な撮影データの消失を防ぐために心がけていること ~その3~ | Pulsejack Film

  2. ピンバック: 大切な撮影データの消失を防ぐために心がけていること ~その4~ | Pulsejack Film

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