※こちらの記事はマカナッツの提供でお送りいたします
目次
はじめに
iPhoneをはじめとするスマートフォンが発売されて以来、一般の人たちが気軽に撮影できる映像の品質がどんどんと向上しています。テレビの情報番組やニュース映像でも一般の視聴者撮影の映像が日常的に放送されている昨今、スマートフォンは立派な「映像配信機器」と言わざるを得ないでしょう。
そんなスマートフォンで撮影する映像の品質をさらに向上させるアイテムとして「3軸ジンバル」というものがあります。
3軸ジンバルとは
チルト(縦方向)パン(横方向)ロール(斜め方向)の、映像のブレの原因となる撮影者の微妙な動きをセンサーで補足し、それぞれの合計3か所に設けられたブラシレスモーターを使用して動きを相殺し映像に出るブレを無くす。それが3軸ジンバル。『スタビライザー』とも呼ばれていて、かつては映画などの商業撮影で多く使われていましたが、ブレの大きいドローンにカメラを搭載するために小型化・低価格化の技術が進み、ついに一般ユーザーのスマートフォンを搭載できるような製品が発売されてきました。
筆者のスタビライザー経歴
筆者の所有する3軸軸ジンバルといえば、DJI RONIN-Mという一眼カメラを搭載するような少々大きいスタビライザー(実売約12万円)と、同社のカメラ一体型ジンバルDJI Osmo(実売約7万円)があり、Music Video撮影や企業VPでの撮影時によく使用しています。
浮遊感のある安定した映像を撮影できるスタビライザーの映像はどのクライアントにも評判がよく現代の映像撮影においてスタビライザーは欠かせない撮影機材であると確信しています。近年、スマートフォン用のスタビライザーが多く発売している事は存じていましたが価格帯が1万円台半ば~2万円台後半であることは「スマホで気軽に」というわけにもいかず、なかなか導入に踏み切れないものでもありました。
高性能スマホ用3軸ジンバル『selbox GIMBAL』
今回、販売元であるマカナッツさんのご協力のもと、筆者の人生初であるスマートフォン用ジンバル、『selbox GIMBAL』を使って実際に撮影・編集をしてみました。このジンバル、2018年10月2日現在では発売記念セール中のため価格がなんと1万円を大幅に割る8,980円(今後予定台数販売後は1万円前半に値上がる予定だという。)という価格ながら、Bluetoothを使用したコントロールを始め、ジョイスティックによる画角調整、チルト・パンをそれぞれ独立してロック可能な操作子、さらには専用の撮影アプリケーション(iOS/Andoroid用)が付いているというモンスタージンバルなのでした。
商品到着・開封
化粧箱は割とシンプルで必要十分。といった感じです。
付属品は
- 本体
- 説明書
- 充電用USBケーブル
- 携帯用ポーチ
があります。ポーチが付属しているのは嬉しいですね。到着時からバッテリーは十分充電されていて到着後すぐ使う事が可能でした。
専用アプリ「Gimbal Pro」
スマホにインストールするアプリは「Gimbal Pro」という名前でiOSならApp Store、AndroidならGoogle Playなどで無料でダウンロードが可能です。(こちらから)
ジンバルの電源と、スマホのBluetoothをONにしてアプリからデバイスの検出と接続を行います。マイクやカメラ、カメラロールのアクセスを求められるので許可しておきましょう。アプリの開発元は中国か台湾のようで、ところどころ中国語が残っていますが特に問題なく使用できます。
撮影画面はDJI Osmoのアプリに似たインタフェースでとても使いやすく出来ています。顔追尾・オブジェクトトラッキング機能もあり、当然のようにスローモーションやタイムラプス・モーションタイムラプスの設定も可能。設定画面ではジョイスティックの反応設定や方向変換・フォロースピードの設定も可能でかなり高機能であることがわかります。
(アプリは2018年10月1日現在の最新バージョンにて確認しております。仕様は予告なく変更される場合があります)
Selbox GIMBALレビュー
大きさ
割と大きいな。とういのが初めて持った感想です。DJI Osmoと比べると以下のような感じになります。
ただ本体の重量は400gと500mlペットボトルよりは軽いので重く持ち運ぶのにストレスを感じることはありませんでした。
ジョイスティック周り
ジョイスティック周りのボタンは以下のようになっています。撮影ボタンと電源ボタンには複数の機能がアサインされていて、
- 電源ボタン2クリックでジンバル位置初期化
- 撮影ボタン2クリックでインカメラ/アウトカメラ切り替え、3クリックで写真/動画モード切替え
が可能です。
チルト・パンロック
ジョイスティック向かって右側にはチルト・パンロックのスイッチとダイヤルがそれぞれ独立して存在します。ロック機能を上手く使う事でクレーンを使ったような映像が簡単に誰でも撮影することが可能になっています。
充電端子
Micro-USBでの充電が可能です。満充電であれば4時間は持つので普通のお出かけには十分だとは思いますが、旅行時などでも付属のUSBケーブルとモバイルバッテリーで充電することが可能です。
技術適合マーク有
ジンバルには無線製品を日本国内で使用するために必要な「技術適合マーク(通称技適マーク)がしっかりありました。安価な中華製品などでは技適が通っておらず、使用すると電波法違反になってしまいますのでこの部分がしっかりと通っているのは安心できます。
バランス調整機構・スマホホルダー部分
使用前はお使いのスマホに合わせてバランスを調整する必要があります。以下の画像に見えるノブを緩めて固定したスマホを左右に動かし、バランスが取れたところで締めなおすだけ。という簡単な調整ですので誰でも2~3分あれば出来ますし、一度やればスマホを変えない限りは再調整不要ですので問題ないかと思います。
スマホを保持する部分はゴムで滑り止めがされておりスマホをしっかりとホールドします。実際に使用してゆるんだりスマホがズレた。なんてことは一度もありませんでした。
底面
三脚穴がありますので三脚にジンバルを固定してタイムラプスなどを撮影したり、延長ロ度で高い位置にジンバルを持ち上げて疑似空撮などを撮影することが可能です。
1/4インチネジを利用したストラップなどを取り付けることも可能ですね。撮影時持ち続けるのは大変ですし、落下防止にも是非取り付けておきたいところです。
渋谷の街を3時間ぐらい撮り歩いてきた
今回、selbox GIMBALのデモ映像を作成するにあたり筆者のiPhone6をselboxに取り付けて渋谷の街を撮り歩いてきました。
最新のiPhoneからはかなり見劣りしてしまうスペックですが、スタビライザーが1つ追加されただけでここまでスマホで映像が撮影できるのか。と筆者自身驚きました。最新のiPhone XSに買い替えたらDJI Osmoの出番が無くなってしまいそうです。チルトロック・パンロックを個別に、それも瞬時にロック出来る機能は本当に便利で何度もLock/Freeを切り替えつつ撮影を行いました。
ジンバルのバッテリーは公表通り全く問題なく持ちましたが、古いiPhoneなので途中何度もジンバルから外してモバイルバッテリーから充電を行いました。Lightning端子がモーター側で塞がってしまっているのでスマホを外さなくては充電できない部分は不便でしたが、小型のiPhone6であれば調整範囲も余裕がありそうなのでL型のlightningケーブルがあれば充電しながら使用することも可能かもしれません。この辺は今後試してみたいところです。
撮影中、アプリがジンバルを認識しないトラブル (iOSのBluetooth設定画面では「接続済み」という表記) がありましたが、Bluetooth設定画面から一度デバイス登録を削除してから再接続したところ、無事に接続が復帰しました。このあたりはアプリのアップデートを期待します。
まとめ
ここまで安価でこれほどの機能・性能が出せるのは他社製品と比較しても唯一無二で、本当に驚きでコストパフォーマンスが高い製品であることは間違いありません。
使い方もいたってシンプルなのでこれまで映像機器に触れたことのない人でも扱うのに困ることはないと思います。一度バランスとアプリの設定をしてしまえば、スマホを取り付けたら、はい撮影開始。スマホに触れず片手でパン・チルトロック出来るのはアドバンテージが高いですし、撮影中でも気にせずロック状態を切り替えることが出来ます。
今回は横型動画の撮影でしたが、ジンバルを水平に持つことで縦型撮影にも対応していますので、Instagramやツイキャスなどの配信で使用することでブレの無い安定した映像を配信することも可能です。
一つあるだけで映像クオリティが格段に上がる。そんなselbox GIMBAL。試してみては如何でしょうか