※こちらの記事はEyoyoの提供でお送りいたします
映像を撮影する過程において、かなり重要な役割をするモニターディスプレイ。
一般的なユーザーはカメラ据え付けのモニターを使用することが多いかと思いますが、マニュアルフォーカス時に大きいモニターでのピント合わせが必要になったり、スタビライザーなどに載せてカメラのモニターを見辛くなった時には外部モニターを接続することが有効です。
最近のカメラには大抵HDMI出力かSDI出力が装備されているかと思います。
HDMI接続は主に民生機器で使われ、対するSDI接続は業務用の高価なカメラに備え付けられている場合が多く、殆どのカメラユーザーであればHDMI入力の外部モニターを用意する事になるでしょう。
目次
Eyoyo E5フィールドモニター
今回、中国は深センに拠点を置くモニターブランド「Eyoyo」の提供によりEyoyo E5というHDMI接続の5インチIPS液晶フィールドモニターを試してみることが出来ました。
Amazonでの販売価格は16,677円(2018/10/09現在)という非常に安価な金額で購入できる割にはクオリティ・機能面で非常に驚かせられました。
開封・付属品など
Eyoyo E5の同梱物は以下のようになっていました。
- 本体
- 取扱説明書
- サンフード
- HDMIケーブル(HDMI type C to type A)
- フレキシブルアーム、シューマウント
ファーストインプレッション
まず軽い。本体だけで118gという軽量ボディに加え、約128mmx81mmx24mmという小型なボディはカメラバッグの隙間に入れておけるサイズで撮影に気軽に持ち運ぶことが出来ます。
Canon LP-E6系/Sony NP-Fバッテリーどちらも使える
こちらのモニターのユニーク且つ最も便利だと思った機能として、SONY NP-FシリーズバッテリーとCanon LP-E6バッテリーどちらでも使用できるという点があります。
背面向かって右がSONY NP-F、左がLP-E6用の接点です。
SONY NP-Fバッテリを接続した場合。
Canon LP-E6(互換)を接続した場合
どちらの場合でも問題なく使用できますので、現場でのバッテリーマネジメントが劇的に楽になります。また、12V入力端子もありますが、こちらはマニュアルによると7-24Vというワイドレンジになっていますので、V-MountバッテリのD-Tapから電源を供給することも可能です。
本体左下には電源状態を示すLEDが設けられていて、電源OFF時は赤、電源ON時は緑色に点灯します。
外観・インターフェース
本体上部には電源ボタンやセッティング用のボタンが並んでいます。
F1ボタンには任意の機能を割り当てることができ、On/Offを瞬時に切り替えることが可能です。(DefaultではPeaking On/Off)
左側のパネルは入出力が並んでいます。ヘッドフォン出力、HDMI出力があるのでこのモニターからさらに別のモニターやレコーダーへ映像を入力することが可能です。先述したDC入力もこちらにあります。
その他、三脚穴は上下・右の3面に設置されていてリグやカメラに自由に設置することが出来ます。
液晶画面
早速カメラ(BMPCC)を接続してみました。
バッテリー残量・オーディオレベルメーター・ヒストグラム表示がオーバーレイされています。
Peaking機能もあるのでピントの表示位置をしっかりと見ることが出来ます。
本体も5インチながらFHDなのでBMPCCのチープな液晶に比べるとモニターのしやすさは雲泥の差。
設定メニュー
MENUボタンを押すことで設定メニューを表示することが出来ます。<, >ボタンで移動、MENUボタンがEnter。EXIT/F1ボタンで戻ります。
設定メニューは日本語表示が可能ですが、少々わかりづらい部分もありましたので以下にまとめておきました。
メインメニュー | ピクチャ,マーカー,機能,波形表示,音声,システム設定 | ||
ピクチャ | 明るさ(Brightness) | 0-100 | |
コントラスト | 0-100 | ||
彩度(Saturation | 0-100 | ||
Tint(色被り) | 0-100 | ||
シャープネス | 0-100 | ||
色温度 | 6500K,7500K,9300K, User(R,G,B) | ||
赤レベル | 0-255 | 色温度設定をUserにしたときのみ有効 | |
緑レベル | 0-255 | ||
青レベル | 0-255 | ||
赤オフセット | 0-511 | ||
緑オフセット | 0-511 | ||
青オフセット | 0-511 | ||
マーカー | センターマーカー | ON,OFF | |
アスペクト領域表示 | 16:9, 1.85:1, 2.35:1, 4:3, 3:2 | ||
セーフエリア | OFF, 95%,93%,90%,88%,85%,80% | ||
マーカー色 | 赤, 緑. 青, 白. 黒 | ||
グリッド | OFF,ON | ||
マーカーマット | OFF,1-7 | ||
マーカー太さ | 2,4,6,8 | ||
機能 | スキャン | アスペクト,等倍表示,ズーム | |
アスペクト比 | 16:9, 1.85:1, 2.35:1, 4:3, 3:2 | ||
アンダースキャン | OFF, ON | ||
フィールドチェック | OFF, モノクロ, 赤, 緑, 青 | ||
ズーム | 1.5倍, 2倍, 3倍, 4倍 | ||
静止 | OFF, ON | ||
DSLR | OFF, 5D2, 5D3 | ||
波形表示 | ピーキング表示 | OFF, ON | |
ピーキング色 | 赤, 緑. 青, 白. 黒 | ||
ピーキングレベル | 0-100 | ||
フォルスカラー | OFF,ON | ||
ゼブラ(Exposure) | OFF,ON | ||
ゼブラ警告レベル | 0-100 | ||
ヒストグラム | OFF,ON | ||
オーディオ | ボリューム | 0-100 | |
レベルメーター表示 | OFF,ON | ||
システム | 言語 | English, 日本語, その他 | |
OSDタイマー | 10秒, 20秒, 30秒 | ||
反転表示(Image Flip) | OFF, 上下・左右・上下左右 | ||
バックライト | 0-100 | ||
F1ボタン設定 | Peaking, Mute, その他 | ||
リセット | システムリセット |
※グリッド表示中はセーフエリア表示・アスペクト領域表示は出ないようです。
※DSLRの5D2, 5D3はCanon EOS 5DmarkII, 5DmarkIIIに接続時使用すると良いようです。
※OSDタイマーとはメニューなどの画面表示が無操作時に消えるまでの時間を表します。
サンフードが付属
屋外での撮影時、日光が明るくてモニターが見辛い事がありますが付属のサンフードで日光を遮り安定したモニタリングが可能になります。
サンフードの端にはベルクロが付けられていてワンタッチで取り付けが可能
サンフードを取り付けたところ違和感なくしっかりと取り付けられている。
製品仕様
液晶パネル | 5インチIPS液晶 |
解像度 | 1920×1080ドット |
アスペクト比 | 16:9 |
明るさ | 400cd/㎡ |
コントラスト | 1000:1 |
視野角 | 上下・左右ともに170° |
入力電圧 | DC 7-24V |
入力信号 | HDMI |
出力信号 | HDMI |
消費電力 | 9W以下 |
動作温度 | -20℃~50℃ |
大きさ | 127.7×80.9×23.6mm |
重量 | 118g |
筆者が特に気に入った点
軽い・小さいFHDモニタ
先述もしましたが5インチ118gという小型軽量ディスプレイなのでカメラバッグの隙間に入れておくことが容易ですので、ローバジェットな撮影から使用することが可能です。
幅広い電源形式をサポート
LP-E6, NP-Fバッテリどちらでも使用でき、さらには7-24VというDC入力が使用できるのでD-Tapなどで外部電源を使用することも可能です。
左右反転表示が可能
自撮りのような撮影の場合や、演者にモニタを見せながら撮影する場合は左右反転が無いと右左の感覚がわかりづらく撮影が大変なケースがあります。この時に左右反転をONにすれば演者もストレスなくモニターを見ることが可能になります。
フルサイズのHDMI入力
小型なモニターの場合、HDMI入力がType-DやType-Cであることが多いですが本機ではフルサイズのType-Aを採用しています。端子の強度や安定性からType-Aであることは有難いです。
4K/30p入力対応
取説には記載ありませんが、4K/30pまでの信号入力に対応しています。(60pは不可)そのために4K外部出力でのレコーディング環境などでもコンバーター無しで使用することが可能です。
実際に撮影で使用してみた
先日とある撮影で実際にEYOYO E5モニタを使用してみました。
所謂「踊ってみた」動画なので演者さんにモニターを返す必要があるのですが、使用するカメラ(BMPCC)は固定LCDなので不可能。そんな時はこのような外部モニターが必要になります。先述したImage Flip機能を使えば鏡と同じように映りますので演者さんが立ち位置の調整時などで混乱することもなくモニタリングすることができます。
設置は付属のアームではなく手持ちのクランプとアームを使用しました。本体自体がかなり軽いため何処に取り付けても安定しています。バッテリーは18.7WhのNP-F互換バッテリーを使用しましたが1.5時間以上電源を入れっぱなしでも使っても電池切れはありませんでした。
DJI RONIN-Mを使用しての撮影もあり、上記のクランプをそのままRONIN-Mのトップハンドルに固定してスムーズに撮影を続けられました。RONIN-Mに載せているカメラのモニタは非常に見辛いので別で画角を確認できるEYOYO E5モニタは重宝しました。
まとめ
これほどの機能・品質のモニタが僅か2万円を切って購入できる。という事に驚いています。Eyoyo A5というDJI Ronin-Sなどにマウントするためのアクセサリが付属した兄弟モデルも存在しますので、購入する場合は自分により合ったモデルを選択することが可能です。