映像作品のクオリティの75%を決める7つのアイテム

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はじめに

一眼レフやミラーレス一眼やコンパクトデジカメ、さらにはスマホにもFull HDや4Kなどといった高品質な動画を撮影できる機能が入って、一昔前では考えられないぐらい手軽に誰でも映像作品を作れるようになりました。

でも、プロの映像と素人の映像。何が違うんでしょうか?もちろん撮影や編集、構成の技術やセンス、カメラの性能もありますが、かなり大きな要素を占めているのが「撮影補助機材」の存在。

今回は、誰でも簡単に映像作品のクオリティを上げることができる撮影補助機材をまとめてみました。

1.ビデオ用三脚+ビデオ用雲台

映像の基本は「フィックス」です。

Fix:固定する。

つまり、固定された映像。見ていてとても安定感があります。いくら手ブレ補正が付いたカメラでも三脚に固定されたカメラほどブレを解消してはくれません。

写真用三脚とビデオ用三脚の主な違い

  • ビデオ用三脚にはハーフボールがある

ハーフボールとは、雲台の下に付いたボール状の雲台とカメラをつないでいる部分。これがビデオ用三脚と写真用三脚の大きな違いです。

写真でも映像でも、「水平」というのは非常に重要な要素です。カメラが意図とせず傾いていたら見ていて気持ちのいいものではありません。

写真ではとりあえず狙った構図で水平がとれていればいいのですが、映像の場合、撮影中にカメラがパン(左右に動く)やチルト(上下に動く)をします。このとき雲台の水平が撮れていないと、パンしていくうちにカメラが傾いていくという残念な現象が起きます。

これを防ぐためにハーフボールがあります。ハーフボールは自由雲台のようにグリグリと雲台ごと傾きを調整することができます。これがないと三脚の足の長さを調整して水平を出す必要があるのでとても時間が掛かりますが、ハーフボール付きの雲台ならばある程度三脚が傾いていても一瞬で雲台の水平をとることができます

  • フルード雲台で滑らかにパン・チルトできる
502AH (4)

ビデオ用雲台でもハーフボールでない”フラットベースタイプ”というものがあり、通常の三脚に取り付けることが可能です(ただし水平をとるのが大変になります)

一方、雲台もビデオ用は写真用と大きく異なります。写真用とは違い長い”パン棒”と呼ばれる棒が付いています。撮影者はこの棒を使ってカメラの向きを上下左右に動かすことができます。

また雲台にオイルが封入されており、パン・チルト時の動きカクカクせずに滑らかに動かすことができます。

他にもカウンターウエイトやビデオ用のプレートなんかもあるんですが、上位機種に限定してたりするので入門編としては割愛させていただきます。

2.リグ

リグというのはカメラに照明やマイクなど周辺機器を取り付けたり、肩当てやハンドルを付けて手ブレを防いだりするカメラシステムの骨組みです。

一眼レフなどの本来静止画用のカメラの場合、そもそも周辺機器を取り付けられるように設計されていませんので、これに外付けのマイクやら、液晶ディスプレイやら、フォローフォーカス(マニュアルフォーカスをしやすくするための補助機材)を取り付けるには、それを取り付けるための骨組みが必要なわけです。

一番お手軽なのがX-Gripに代表されるU字型のカメラグリップ。これもリグの一種だと捉えています。

これがあるとカメラを保持するのが楽になったり、グリップ上部を握ってローアングルからの撮影がとてもやりやすくなります。

goranavi (1)

X-Gripにマイク・照明をつけています。

goranavi (2)

こんな感じでカメラの持ち運びが楽になります

3.マイク

三脚でのフィックスの撮影、リグを使用しての手持ちの撮影が出来るようになれば次は音声を改善しましょう。

一眼レフやコンデジのマイクは”オマケ”と捉えたほうがいいでしょう。カメラ操作時のタッチノイズやAF時のモーター音なんかを拾ってしまうことがあります。

そこで多くのビデオグラファーは外付けのマイクを使って音声を収録しています。

よく見かけるのがRODEという、それなりに安価でなかなかの品質のマイクを作っているメーカーの製品。

向けたほうの音声を多く集音するガンマイクと呼ばれる種類のマイクで、例えばインタビューとかを撮る場合、周りの騒音を抑えて出演者の声をクリアに拾う効果があります。

また、ショックマウントが一体型で付属しているので操作で起きるタッチノイズなんかがマイクに伝わりにくくなっています。

一方、一般的なカメラについているマイクは無指向性という、周りの音をすべて均一に拾うタイプ。これだと横で通る車の音、周りの人の会話、自分の鼻息なんかも収録しちゃいます。

4.音声レコーダ―

カメラ本体で録音する場合、16bitで収録されるので結果的に高音質で撮影することは難しくなります。

音声収録のお話。~16bitか24bitか~

24bit非圧縮録音ができる外部レコーダーがあれば、後処理を行うことでさらに音質を高めることができます。

さらにPCMレコーダーの多くは高品質なマイクを備えてるので、それだけでマイクとしても使えるんですね。

ロケではZOOM H1に、手作りのピンマイクを接続して録音状態にしておき、出演者に持たせガンマイクよりもクリアな音声収録を実現しています。


1~4までで基本的な映像撮影で必要なアイテムはそろいました。ここからはさらに映像をステップアップさせるアイテムの紹介。

4.カメラスライダー・ドリー

レールにカメラを載せて60cm動かす。

たったこれだけであなたの映像は激変します。本当です。

ウソだと思った人は上のYouTubeを見てみてください。

スライダーを使った映像というのは見てる人の目を惹きつけます。

ドローンや次に紹介するスタビライザーにも共通する「非現実感」を増幅させるのでしょう。

こちら、韓国のメーカーのKonovaというブランドが結構なシェアを持っていて、私もK5というシリーズの60cmスライダーを所有しています。

一眼レフを載せるぐらいなら安価なK2シリーズでも大丈夫とのことです。

スライダーを買う前は、スケートドリーというものを使用していました。接地面が滑らかであることが条件ですが、安価でかつ小型なので手軽にスライダーのような映像を撮影することが可能です。

6.スタビライザー

GLIDECAM

 

三脚でもスライダーを使ったショットでもない、もう一つの安定感のある映像。それがスタビライザーを使った映像です。

まるでドローンを使ったような、空を飛んでいるかのような浮遊感のある映像を撮影でき、カメラマンの存在を映像から消し去ることが可能です。

以前、STEADYCAMのマーリン2が主流でしたが操作が難しいこと、電子制御タイプの製品がそれなりの値段で出てきたことで現在では中古機材屋さんでかなり安価に手に入れることが可能です。

また金銭的に余裕があるなら電子制御タイプを手に入れるのも一つの手だと思います。

場合によってはカメラより高い機材ですが、その価値は十分にある機材です

私はGLIDECAM HD1000というスタビライザーと、電子制御型のスタビライザー一体型カメラDJI Osmoを使ってます。

 7.照明

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カメラでいう「ストロボ」にあたるのがこちら。もちろん映像用なのでストロボのような瞬間的な光でなく、定常光という通常の照明機器のような連続的な光が必要です。

「照明さん」というプロがいる世界。ストロボのライティングもそうですかこちらも奥が深いです。

とはいえ、顔を明るく撮影したり、背後から宛ててエッジを立てたりするのにあると便利ですよね。

自分は屋外で使用することが多いのでバッテリーで駆動できるNEEWERのCN-160というLEDライトをメインで使っています。

【レビュー】NEEWER ビデオ用160灯LEDライト CN-160

屋内で使う人はAC電源で明るいソフトボックス付きのものを買うと幸せになれると思います。


終わりに

まだまだ外付けの液晶モニタだったりビデオ用の一脚だったり、ワイヤレスのマイクやら沢山ありますが、とりあえずは初級編ということで。これらの機材をうまく使えば間違いなくクオリティは劇的に上がるでしょう!

。。上がるといいな。

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